サワガニの呼吸──水の中でも外でも生きられる仕組み
サワガニはエラで呼吸します。
それでいて、水から出ても平気です。
この一見おかしな話が、サワガニを飼うときの設計に直結します。
エラはどこにあるか
・甲羅の内側、脚の付け根の上あたり
・外からは見えない
・左右にある
エラで酸素を取る仕組み
エラは「水に溶けた酸素」を取り込む器官です。
水がエラを通る
→ 水に溶けた酸素がエラに移る
→ 体に取り込まれる
だから魚は水から出ると死にます。
エラが乾いて、くっついてしまうからです。
サワガニが陸で平気な理由
ここがポイントです。
① エラの周りに水を保持できる
→ 甲羅の中に水が残る
② エラが乾きにくい構造になっている
③ 湿ってさえいれば、空気中の酸素も取り込める
→ 酸素は水の膜に溶けてからエラに入る
条件は「エラが濡れていること」です。
水の中にいる必要はありません。濡れていれば足ります。
だからサワガニは、 石の上や陸地でじっとしていることがあるのです。
逆に、完全水中だと危ないことがある
ここが意外なところです。
・水中の酸素が少ないと、エラで足りなくなる
・水温が高いと、水に溶ける酸素が減る
・出られないと、酸素不足になる
つまりサワガニは「水中で溺れる」ことがありえます。
正確には溺死ではなく、酸素不足です。
ですから飼育では、 【いつでも水から出られる陸地】を作るのが基本になります。
夏に危ない理由
水温が上がると、水に溶ける酸素が減ります。
水温が上がる
→ 溶存酸素が減る
→ サワガニの活動は活発になる(酸素が要る)
→ 足りなくなる
「夏に死なせる」の中身の一部が、これです。
→ 夏越しと冬越し
泡を吹くのはなぜか
エラの水が少なくなったとき、 空気が混ざって泡になって出てくると説明されます。
・陸に長くいた
・水が少ない
・酸素が足りていない
少し泡を吹くのは、必ずしも異常ではありません。
ただし、ずっと泡を吹き続けているなら見直してください。
飼育に落とすと
□ 陸地を作る(いつでも出られる)
□ 水深は深くしすぎない(→ [水のこと](/mizu/))
□ 水温を上げない(→ [夏越し](/natsu-fuyu/))
□ 水を汚さない(→ [水換え](/mizukae/))
□ エアレーションは必須ではない(→ [ろ過とエアレーション](/roka/))
①がいちばん効きます。
「水と陸の両方がある」という一点で、 呼吸の問題の大半は解決します。
まとめ
- **エラで呼吸する。**エラは甲羅の内側にある
- エラが濡れていれば、空気中の酸素も取り込める
- だから陸に上がっても平気。水の中にいる必要は無い
- 逆に完全水中だと酸素不足になることがある
- **水温が上がると、水に溶ける酸素が減る。**夏が危ない
- 泡は、エラの水が少なくなって空気が混ざったもの。少しなら異常ではない
- 飼育の基本は**【いつでも水から出られる陸地】を作ること**